karajanjanの日記

カラヤンについて語りましょう

ライブをそのまま観たい♪

アルプス交響曲を聴いて

 このお盆休みはステイホームということで、ゆっくり音楽鑑賞ができました。

 R・シュトラウスの「アルプス交響曲」のCDを取り出して大自然を思い浮かべながら鑑賞しました。この曲は、カラヤンが1980年代に入ってから手掛けた曲です。R・シュトラウスを得意としていたカラヤンは、若い頃からよくこの作曲家の曲を取り上げていましたが、このアルプス交響曲はなかなか手をつけなかったようです。カラヤンがこの曲に興味を持っていなかった、、オーケストラの技術が上がるのを待っていた、この曲の良さが伝わる録音技術が整ったなど、どうしてこの曲を80年代から取り上げるようになったかは諸説あるようですが、(演奏、録音したら反応がよかったのでレパートリーに加えたという話もあるようですね)どんな理由であれ、いつから手掛けようが、この曲はカラヤンにはとても合っているように思います。

 私はカラヤンアルプス交響曲を2種類所有しています。1つは1980年録音のCD(カラヤンGOLD)と1983年録画のカラヤンの遺産シリーズのDVDです。どちらかというと1983年の録画の方が好きです。ライブ録音(録画)ということもあり、より臨場感があるように思います。1曲をそのまま楽しめるので、このライブ盤はとてもいいと思います。もちろんライブなのでそれなりにミスや縦の線の乱れはあるのですが、勢いや流れを感じられます。一般的にセッション録音では批判が多いカラヤンですが、ライブ録音では評価が高いと思います。私もカラヤンのライブ録音はいいものが多いと思っています。(ベートヴェンの英雄などはまさに!)このアルプス交響曲もそれが当てはまると思います。

 この2種類を比較すると、ライブ盤の方が若干テンポが速いです。カラヤンは若い時から解釈が固まっており、晩年になってもそれほどテンポが変わらない、雰囲気などでテンポが変わらないと言われていますが、この曲に関しては約3年の歳月しかたっていませんが、曲が始まって3分くらい経過したあたり(「日の出」の部分)のテンポ感はだいぶ違います。CDはかなりゆったりな解釈ですが、DVDはスピーディーに曲が進みます。指揮姿も大手を広げるカラヤンが印象的です。曲の後半でもカラヤンがタクトを降り下ろしたほんの少し後にベルリンフィルの重厚なサウンドが奏でられます。まさに演奏を観ても聴いても楽しめる演奏だと思います。

 さて、このDVDのライブ演奏ですが、1つ残念なことがあります。それは演奏後のカーテンコールの部分です。DVDでは演奏が終わるとカラヤンが1,2度登場して終わってしまいます。先程、「2種類の演奏を所有」と書きましたが、実はもう1種類所有しています。それは、カラヤンが亡くなった際の特集でNHKで放送した番組をVHSビデオで録画したものです。曲目はこのアルプス交響曲チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番などです。このビデオに録画されているカーテンコールは5分以上あり、カラヤンが痛い足を引きずりながらも何度もステージに現れます。髪が乱れて再登場する姿も収められており、いかにカラヤンが熱を込めて指揮をしていたかをうかがい知ることができます。ここまで観ることができると、ライブ録音として本当に面白いと思うのです。ピアノ協奏曲もDVD化されていますが、これもカーテンコールがほとんどカットされています。ソリストキーシンとロシア語で挨拶するシーンも微笑ましく映っているのですが、DVDではカットされてしまいました。演奏はきちんとライブ録画されているのですが、演奏後の聴衆の様子、カーテンコールなども可能な限り収めた、完全体としてのライブをそのまま商品化してもらえるといいなぁと思ってしまいました。