karajanjanの日記

カラヤンについて語りましょう

2023年ウィーン・フィル・ニューイヤーコンサート(第2部)

今日はウィーン・フィル・ニューイヤー第2部の感想です。前回同様、完全に個人的な感想です。アップが遅くなり申し訳ありませんでした。

2部の大きな特徴は、ヨーゼフ・シュトラウスだらけ!ということです。このプログラムを意識してか、コンサートの休憩時にNHKではヨーゼフがシュトラウスファミリーで最も素晴らしい的な特集をしていました。ヨーゼフが最も素晴らしいかは個人的には?ですが、ワルツ「天体の音楽」は私も大好きです。(私はやはりヨハン・シュトラウス2世が好きですね♪)

実際のプログラムは以下の通りです。

1. フランツ・フォン・スッペ:喜劇的オペレッタ『イザべッラ』序曲
2. ヨーゼフ・シュトラウス:演奏会用ワルツ『愛の真珠』 Op.39
3. ヨーゼフ・シュトラウスポルカ・フランセーズ『アンゲリカ・ポルカ』 Op.123
4. エドゥアルト・シュトラウスポルカ・シュネル『さあ、逃げろ!』 Op.73
5. ヨーゼフ・シュトラウスポルカ・フランセーズ『上機嫌』 Op.281
6. ヨーゼフ・シュトラウスポルカ・シュネル『いつまでも永遠に』 Op.193
7. ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ『まひわ』 Op.114
8. ヨーゼフ・ヘルメスベルガー2世:バレエ『エクセルシオール』からグロッケン・ポルカギャロップ
9. ヨーゼフ・シュトラウス:オーケストラ・ファンタジーアレグロ・ファンタスティーク』 Anh.26b
10. ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ『水彩画』 Op.258

(前回同様、曲目はHMVのサイトの表記を引用させて頂きました)

 

スッペもそれなりに取り上げられていますね。ムーティも「軽騎兵」序曲、「詩人と農夫」序曲などを演奏していました。今回も軽快なスッペサウンドが聴けたと思います。メストさんも2部とあって、だいぶリラックスした感じで指揮をとっていたように思います。

2曲目のワルツは言い方がよくないかもしれませんが、よくありそうなウィンナーワルツだと思いました。さらっと聴けてしまう分、あまりメロディーが頭に残りませんでした。1部のウィーン訛りへのこだわりはあまり感じられませんでした。この曲はあっさりとという解釈から、あえて訛りを出さなかった可能性はあると思います。

注目は5曲目のポルカ・フランセーズ『上機嫌』。ウィーン少年合唱団に加え、ウィーン少女合唱団が登場。少女合唱団の登場もニューイヤーコンサートでは初めての事でした。子供たちはとても可愛らしいですね。それに歌っている顔がとても楽しそう!やはり音楽は楽しそうに演奏できるのが一番と改めて思いました。演奏後の笑顔も素敵でしたよ。もう少し歌詞がはっきり聞き取れるとよかったなと思いますが(私のヒアリング能力のせいかもしれませんが)とても楽しめる演奏でした。子供たちの出番がもっとあってもいいなぁと思ってしまいました。

7曲目のワルツ「まひわ」。「まひわ」とは黄色い羽根を持つ小鳥だそうです。題名にぴったりの小鳥のさえずりが随所に散りばめられているかわいい曲でした。木管でのさえずり、鳥笛でのさえずりとさえずりにも色々な種類があり、森にいるような雰囲気を味わえるワルツです。でも演奏は難しそうな曲です。冒頭はやさしく始まるのですが、ちょっと音程が不安定だったように思います。滅多に演奏しないということもあるのでしょうが、途中でもサウンドがばらけることがあったように思います。このワルツも比較的あっさりとした3拍子でした。こうは書きましたが、小鳥の感じはとてもよく表現されていたと思います。

9曲目オーケストラ・ファンタジーアレグロ・ファンタスティーク』は、今までのポルカやワルツと色合いが全く違い衝撃的な出だしで、思わず引き込まれてしまいした。映画音楽のようでもあり、題名の通り、幻想的な透明感のある響きが印象的です。譜面はとてもややこしそうなのですが、それをサラッと演奏して美しく聴かせてくれるウィーン・フィルに脱帽です。これを指揮し、びしっとまとめてメストさんも素晴らしい!こういった曲はカラヤンよりもバーンスタインの方が面白い演奏をしてくれそうな気がします。バーンスタインのウィンナーワルツやポルカは若干「?」となりそうですが、この曲ならばっちりではないでしょうか。

最後のワルツ『水彩画』は聴きなれたメロディー、サウンドでホッとしました。(悪い意味ではなく、今まで知らない曲ばかりだったので安心したという意味です。)ウィーン・フィルも自信満々にこの曲を奏でていました。サウンドも今までの曲よりも若干厚くなったように思いました。ここでこだわりのウィーン訛りが出ていたように思います。今までのワルツがあっさりだったので、「よっ!待ってました!」と言わんばかりの独特の3拍子が奏でられていたと思います。素晴らしい演奏で演奏会終了♫

いや、まだアンコールがありますよね。

アンコール1曲目は以前、ヤンソンスも取り上げた、ヨハン・シュトラウス2世: ポルカ・シュネル『山賊のギャロップ』Op.378でした。これもウィーン・フィルにとっては得意な曲なのでしょうね。本プログラムを終えて、メンバーも一層リラックスしていて楽しい演奏でした。スピード感も今回の演奏会の中では一番あったのではないかと思います。本プログラムはメストさんがもう少し音楽を先に進めたそうな感じがしていましたが、ここでは指揮者と団員のテンポ感が完全に一致していたのではないでしょうか。

 

あとは毎年恒例の2曲
ヨハン・シュトラウス2世: ワルツ『美しく青きドナウ』 Op.314
ヨハン・シュトラウス1世: 『ラデツキー行進曲』 Op.228

です。

『ドナウ』は個人的には少し速めのテンポかな思いましたが、スマートな演奏だったと思います。放送の関係か、高音域の楽器(トランペットやピッコロ)がやや大きかったように感じました。ここでもたっぷりと溜めた部分ではウィーン訛りが聴けたと思います。

最後の『ラデツキー』では、観客を指揮するメストさんが格好良かったですね。左手一本で曲を自在にコントロールしていたと思います。時折指揮をせず音楽に身を任せていたのも、音楽を楽しんでいるなと感じさせてくれました。

 

と、今年度のニューイヤーコンサートを勝手に総括してみました。お楽しみいただけたでしょうか?まだ直接音源を聴いていらっしゃらない方は、私のレビューは気にせず、思いのままに演奏を楽しんでみて下さい。

最後に、どうでもいいことなのですが、メストさんって、若かりし小泉純一郎さんに似てませんか?20年前からそんなことを思っていました(笑)。