karajanjanの日記

カラヤンについて語りましょう

映像の世紀 バタフライエフェクト ~戦争の中の芸術家~

NHKで「映像の世紀 バタフライエフェクト」という番組がありますが、皆さんご存知でしょうか?

この番組は、

”蝶の羽ばたきのような、ひとりひとりのささやかな営みが、いかに連鎖し、世界を動かしていくのか?世界各国から収集した貴重なアーカイブス映像をもとに、人類の歴史に秘められた壮大なバタフライエフェクトの世界をお届けする。”(NHKホームページより)

というものですが、今までは比較的事件や戦争に関する内容が多く、クラシック音楽関連の内容はありませんでした。(私のチェックが甘いだけで、あったのかもしれませんが)いつか、巨匠たちの映像が登場するのではないかと密かに期待していたのですが、ついにその時が来ました!

私の大好きなカラヤンではなかったのですが、フルトヴェングラーショスタコーヴィチに焦点があたった~戦争中の芸術家~というものでした。

フルトヴェングラーショスタコーヴィチが自国の政治体制と芸術活動における葛藤を描いた内容でしたが、私が今回一番印象に残ったのは、(申し訳ないのですが)彼らの葛藤の部分ではなく、フルトヴェングラーの肉声でした。フルトヴェングラーが指揮をする姿は色々なドキュメンタリーや音楽番組で観たことがありました。指揮ぶりはとても変わっていて、何拍子を振っているかわからない。日本ではよく彼の名前を「振ると面食らう!」ともじっているくらいですね。ある意味、音楽が憑依してあちら側へいってしまっているようにも見えます。そこから素晴らしい音楽が生まれていたとのことですが、今回の映像の世紀で、フルトヴェングラーの声を初めて耳にしました。

フルトヴェングラーの声は意外に高い♫長身で頑固なドイツ人ということで、低い声でゆっくりと話す人なのだろうと想像していたのですが、意外や意外、声は高く、しかもまあまあ早口。ただ、昔の映像だと若干スピードが速く、ピッチも高めになることがあるのでフルトヴェングラーの声も、この番組内のものよりは本当は低い声でゆっくり目に話していた可能性はあると思います。それにしても、予想よりはるかに高い声の持ち主でした。カラヤンも見た目よりも声が高く、だみ声で相当な早口。なかなか想像と実際の話し声が一致する人は少ないですよね。

人は何かにつけて自分の好き勝手に想像するものです。漫画の登場人物も、自分にとってベストな声を想像して読んでいると思います。そしてその漫画がアニメ化されたり、映画化された時に、自分の想像と声が違ってショックを受けた経験ってありませんか?可愛らしい声をイメージしていたら思ったより太い声だったり、その逆だったりますよね。それが気になって作品に集中できなくなることも多々ありました。

指揮者は演奏会で声を出す職業ではなく、指揮棒から引き出す音楽で勝負するので、どんな声を出そうが関係ないのですが、フルトヴェングラーの声には驚かされました。

余談ですが、私の中で、想像以上にいい声でびっくりした指揮者がいました。それはよくNHK交響楽団を振りに来てくれた巨匠、ホルスト・シュタインです。リハーサル風景が映し出されたことがあったのですが、まるでテノール歌手のような素晴らしい声でメロディーを歌っていました。歌手でも通用するのではと思ってしまいました。

ちなみに、私は自分の声が高くて嫌いなんです。もうちょっと低い声がよかったなぁ‥‥。