2026年もあっという間に1ヶ月が過ぎてしまいますね。本当に「光陰矢の如し」ですね。
さて、本日は1拍目から始まっていない曲について綴ってみたいと思います。
音楽を音で聴いているだけだと、拍の頭から始まっていると思ってしまう曲って結構あるんですよね。ベートーヴェンの交響曲で考えてみましょう。第5番「運命」。クラシックに詳しくなくても「ジャジャジャジャーン」で通じますよね。この「ジャジャジャジャーン」という言葉にも表れていますが、拍の頭からある音楽にとれますよね。でも実際、「運命」の楽譜は8分休符のあとに「ジャジャジャジャーン」なんですよね。なので、正確に言うと「(ウ)ジャジャジャジャーン」ですかね?なんで「運命」の出だしが合いづらいのか。譜面が「ジャジャジャジャーン」であれば、合わせるのはとても簡単だと思います。ですが8分休符の「ウ」があるから合わせづらい!でも、この8分休符があるからこそ、あの力強い「ジャジャジャジャーン」が奏でられるのです。
ついでに6番「田園」も休符の後にあの有名なメロディーが続くので、テンポやイメージは真逆ですが、5番と6番の出だしは似通ったところがあるのかもしれませんね。
では他に拍の頭と勘違いする曲はというと、先日、NHK交響楽団とファビオ・ルイージが演奏していたサン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」が有名です。この曲も、聴いているだけだと普通に聴こえるのですが、第1部では16分休符分ずれた音楽が展開されているのです!私はこの曲を何度か演奏したことがあるのですが、初めて演奏するときに自分の楽譜とスコアを見てびっくりしました。「ズレてる‥‥」と頭が白くなりました。なので、数えるのが大変なんです。少しでもずれると、自分が入る場所がわからなくなり、吹けなくなって(オケ用語でいうところの「落ちて」)しまうんです。
この曲、絶妙なズレが出てくるのは1部だけではないんです。第2部の6/8拍子、1拍と2拍目の8分休符分休んだ後に「ダカダカダン・ダカダカダン・ダカダカダー」と始まります。これも文字で起こすと本当に頭から始まっているような印象ですよね。でも「ウン・ウ・ダカダカ ダンダカダカ ダンダカダカ ダー」という譜割なんですよね。カタカナ表記で分かりづらくてすみません。でも、これからこの曲を聴くときにはオルガンの壮大さだけではなく、拍のズレを意識していただけると、より曲をスリリングに楽しむことができるのではないかと思います♬
私のお勧めの「オルガン付き」はカラヤン&ベルリン・フィルの演奏です。

1981年の録音で、この録音まで、カラヤンはこの曲を演奏した記録はありません。この録音、オルガンが別撮りで合成だそうです。オルガンはパリのノートルダム大寺院オルガニストのピエール・コシュローが担当しています。ただ、カラヤンはこの曲を1983年の演奏会で2回取り上げており、この時のオルガンもコシュローが担当していました。当然、オルガンはベルリン・フィルの大ホールのオルガンです。ちなみに、1983年の演奏会、アシュケナージがソリストでベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番とセットで演奏されました。すごいソリストを2人招いての演奏会だったようです。
他には、ブルックナーの交響曲第9番の第2楽章にも言えることだと思います。重たい3拍子の楽章ですが、聴く限りでは「タタタンタン タンタンタン」なのですが、実は3拍目(いわゆる「アーフタクト」)から始まっているので、実際に吹いていると、結構頭が混乱してきます。譜割りとしては「ウン・ウン・タタ タンタンタン タンタン」なんですよね。私は、このカラヤン&ウィーン・フィルのライヴ録音をお勧めします。

あとは、シベリウスの交響曲第1番でしょうか。交響曲第1番は今まで挙げた曲ほど有名ではないかと思いますが、この曲の第3楽章もアーフタクトから始まっているのです。聴いただけでは分からないと思いますが、やはり譜面を見ると「ズレてる‥‥」なんですよね。この曲も吹いてみて、この現象が起こっていることを知りました。
この曲はこちらが私のお勧めです。

バーンスタインのシベリウスって意外にいいんですよね。イメージ的には合わないような気がしていたのですが、1番・2番・5番・7番をウィーン・フィルと録音を残しています。実に味わいのある演奏だと思います。ウィーン・フィルのシベリウスもなんとなく合わない気がしていたのですが、そんなことはありませんでした。ぜひバーンスタインのシベリウス、聴いてみてくださいね。
というわけで、今回は耳の錯覚とでも言いましょうか、実は1拍目では始まっていない音楽を取り上げてみました。最後までお読みいただき、ありがとうございました。









