karajanjanの日記

カラヤンについて語りましょう

カラヤンの変わったCD&クラシックTV

最近、こんなCDを手に入れました。ネット上ではこのCDがあることは知っていたのですが、実際売られていたので、手にしてみました。

              

このCDは、前半が1977年にフランス国立放送局で放送した、評論家ジャック・シャンセルによるカラヤンについての解説が40分ほど。そして後半がカラヤンブラームス交響曲第1番と2番の解説(解釈?)をピアノを弾きながら対話形式で行っているものが30分ほど。こちらは1964年に実際フランスで放送されたものだそうです。全てフランス語で行われているので、私には何を言っているのかさっぱり分かりませんでした。カラヤンの指揮する曲は一切収録されていません。リハーサルでもなく、楽曲解説というとてもユニークなCDだと思います。

フランス語はさっぱりと書きましたが、何度か聴き直してみると、曲の和音の構成や変化の仕方、リズムの組み合わせの話、フレーズの流れについてなどを説明しているのだろうという見当がつくようになりました。一番面白かったのが、第2交響曲を解説している際に、ヴァイオリン協奏曲のメロディーをいきなり弾きだし、2つの曲の関連性を述べているところです。言葉は分からなくても、音だけでなんとなく伝わってくる。まさに「音楽に国境はない」ということを証明してくれるCDかもしれませんね。今すぐには時間は取れませんが、フランス語を少し勉強して、自分でこの解説の内容を理解できるようになれればと思います。

今回、カラヤンの弾くピアノを聴くことができたわけですが、カラヤンはもともとはピアニストを目指して、子供のころから人前での演奏会などに登場していました。しかし、指揮者の才能を見出され、指揮者の道へと歩み出したわけですが、時より、ピアノを弾いたり、バロック音楽ではチェンバロを弾いたりと、ピアニストの片鱗を覗かせますよね。しかし、ピアニストと違い、毎日練習を重ねているわけではないので、やはり少し心もとない演奏に聴こえることが多々あるように感じます。ですが、指揮者の中にはピアノがとてつもなく上手な方がいますよね。

1人目は言わずもがな、レナード・バーンスタインでしょう。自分でガーシュインの「ラプソディー・イン・ブルー」を弾き振りしてしまいますからね。また、ウィーン・フィルモーツァルトラヴェルのピアノ協奏曲をやってしまいますから、ピアニストとしても十二分にやっていけた人だと思います。

2人目が、同じように協奏曲をこなしてしまうのが、アンドレ・プレヴィンです。この方の奏でるモーツァルトもとても上品でしたね。直接お話しさせて頂いたこともありますが、とても気さくな方でしたよ。

そして、3人目が、ウォルフガング・サヴァリッシュN響で活躍されていたマエストロです。あまりサヴァリッシュが協奏曲を弾いているという話は聴いたことがないのですが、室内楽、歌曲の伴奏をつとめている映像を何度か観て、「スゴイ!」と思いました。指揮姿同様、ピアノを弾く姿も気品があって美しく感じられました。サヴァリッシュのピアノ上手については音楽番組ではかなりとりあげられていた記憶があります。

この方々に比べるとカラヤンのピアノは劣るかもしれませんが、交響曲などをぱっとピアノでアレンジをして弾けてしまうんですから、やっぱり指揮者はすごいですね。

カラヤンについてもう1つ。先日、NHKEテレの「クラシックTV」ではカラヤン特集が組まれていました。30分番組なので、それほど深い内容は取り上げてくれませんでしたが、アシスタントだった高関健さんカラヤンの耳の良さを語っていたのが印象的でした。「オーケストラが一斉に音を鳴らしていても、違う音を鳴らしている人を指摘していた。」とのことです。確かにそのくらいの耳を持っていないと、複雑なスコアを処理できないでしょうね。(私には到底無理です‥‥)

番組内ではカラヤンの音楽よりもかっこよさやスタイリッシュさが前面に出されていて、もっと音楽的な内面に触れて欲しかったという印象があります。しかし、それほどクラシックに詳しくな人たちもかなり視聴していることを考えるとちょうどいい内容だったかもしれませんね。それでも、マーラー交響曲第5番をリハーサルして音量にこだわったり、大太鼓の音質にこだわるシーンが映し出されており、カラヤンの音楽に対する思いを感じ取ることができたように思います。(このマーラーのリハーサルシーンは色々なドキュメンタリーで流されているものなので、目新しいものではありませんでした)そろそろ、カラヤンをもっと深く特集した番組が放送されるといいなと思います。未公開映像や未公開写真がまだまだ眠っているはずなんですよね。(亡くなった時にすべて破棄されたという話もあるようですが)

あとはドキュメンタリーの再放送があればいいなと思います。ほとんどはDVD等で所持しているのですが、見損ねた番組が1つ。それは「日本人とカラヤン」という番組。生誕100年の2008年に1度放送され、2016年のゴールデンウィークに再放送されたようなのですが、まったく番組をチェックしておらず、見逃しました。それ以来、この番組に出会っていません。なんとかして見たいんですけどね。いつか放送されますように♫