karajanjanの日記

カラヤンについて語りましょう

復活♫

あと2日で2023年も終わろうとしています。

今年はこれでブログは書き納めです。明日はのんびりと音楽番組を観たり、皆さんの記事を読みながら年を越そうと思います。

さて、今年最後に取り上げる曲はマーラー交響曲第2番「復活」です。

自分自身、仕事でも健康面でも上向きに過ごせた年だったので、最後の締めくくりに、自分の境遇にぴったりの「復活」を取り上げます。

この交響曲はやはり長いですよね。聴くのに覚悟がいると思います。ブルックナーなども同じような長さの交響曲はありますが、ソリストあり、合唱あり、曲も5楽章まであったりと色々な要素でヘビーですよね。しかし、全曲を聴き終わると、何とも言えない爽快感といいますか、心が洗われた思いになれるのがこの「復活」ではないでしょうか。

今回は楽章ごとの曲想を綴るのではなく、それぞれの演奏に対する思い出を語ろうと思います。

まず、この曲を最初に聴くきっかけになったのが、小澤征爾ボストン交響楽団について書かれていた本を読んだことでした。確か高校生だったと思います。学生指揮者をやっていたこともあり、図書館でこの本を見つけてすぐに読みました(と、思い出深い本のはずなのにタイトルを忘れました‥‥「コンサートは始まる 小沢征爾ボストン交響楽団」だったかな?)。この本では特にマーラーの5番と2番について語られていました。特に4楽章の原光(Urlicht)といわれる荘厳な部分についての章がとても印象に残りました。たった5~6分の短い楽章ですが、この曲の肝になる部分なのだと思います。そこで、すぐに聴いたのが小澤征爾ボストン交響楽団の演奏です。本を読んで、思い入れもあったので、当時は期待通りの演奏のように感じました。そのCDがこちら。

              

しかしながら、だんだんとマーラーをしっかりと聴くようになると、バーンスタインマーラーにはまっていきました。それも晩年の遅いテンポの演奏を好んで聴いていました。このシリーズでは、皆さんご存知のように、3つのマーラーにゆかりのあるオーケストラを振り分けています。この「復活」はニューヨークフィルハーモニックを選択しています。個人的にはこの曲はウィーン・フィルと入れて欲しかったなぁと思っています。バーンスタインのこの「復活」に関しては私にとっても、少し胃もたれを起こすテンポだなぁというのが第一印象でした。次の音、次のフレーズが出てくるまで、待ちきれない箇所があり、そこでこの演奏に入り込めない瞬間が出てきてしまうんです。もちろん、他の指揮者でもこのようなことはよくあります。カラヤンでも、おもいっきり溜めてから音が出てくることもあり、びっくりすることがあります。以前紹介した「フィンランディア」なども、遅いテンポを好まない人からすると同じように胃もたれを起こすかもしれませんね。同じ遅くても、3番や5番、9番はよくぞこのテンポで!と思うのですが、この「復活」のテンポ感は私とは少し違うようです。4楽章の「原光」はたっぷりとしていていいと思いますよ。ソロのルートヴィッヒが何といっても素晴らしい‼

               

私が最終的にたどりついた「復活」のベスト盤はこれ!  

               

アバドウィーン・フィルの演奏です。これを買ったときは、毎日のように繰り返し聴いていたのを今でも覚えています。1992年の録音です。アバドの「復活」というと、このルツェルン祝祭管弦楽団との演奏

               

の方が評価が高いようですが、私はウィーン・フィル盤の方が落ち着きがあり、好きです。ルツェルンとの演奏の方が推進力、即興性が散りばめられているとは思いますが、緻密さ、この曲の持つ冷静さ、そこからの盛り上がりを考えると、「静」のアバドが「動」のアバドへと変化していくこのウィーン・フィル盤をお勧めします。ルツェルンの演奏は、最初からアバド、オーケストラともに意気込みが凄いのか、最初の1音目から気迫に満ちています。1楽章からすごい緊張感で素晴らしいのですが、最初から「動」の音楽が展開されているため、5楽章の盛り上がりまでの幅が少なく感じられてしまうんです。1996年にベルリン・フィルとの来日公演でもこの曲を取り上げていました。TVで放送されたのを聴きましたが、このウィーン・フィル盤ほどできはよくなかったように感じました(これはTV収録の録音の問題かもしれませんが)。ですから、私としてはウィーン・フィルとの息の合った緻密な「復活」がいいのではないかと思っています。

アバドにとって、この曲はとても大切な曲であったと思います。1965年のザルツブルク音楽祭カラヤンアバドを招きました。その際に演奏したのがこの「復活」でした。この演奏の翌年、ベルリン・フィルへ初登場することになり、その後、ザルツブルク音楽祭へも再登場することになりました。人生の節目、節目で取り上げていたのも納得ですね。

というわけで、今回は大雑把な説明の記事となってしまいましたが、興味の湧いた方は、是非聴いてみて下さいね。

マニアックなクラシック音楽の話題ばかりのブログですが、ここ数カ月はアクセス数が200を超えるようになってきました。アクセスして下さっている方、本当にありがとうございます。来年も、懲りずにクラッシックネタを中心に綴っていきたいと思います。末永く、お付き合い、宜しくお願い致します。

それでは、皆様、良いお年をお迎えください♫